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付着性を直接評価するための規格としてはJIS K5600-5-6「クロスカット法」とJIS K5600-5-7「プルオフ法」があります。

クロスカット法は、深刻な密着不良を見つけるための手軽な手段としてはたいへん有用ですが、JIS本文の冒頭に「付着性の測定手段とみなしてはならない」と明記されています。クロスカット法には試験結果を0~5の6段階に分類し合否判定を行なう手順が記載されていますが、その分類によりどちらが付着性に優れているか、あるいは塗装条件を変えた時の影響などを正しく判断する方法としては適していません。ある意味で、手軽で即座に結果がわかる合否判定としてのクロスカット法と定量的な付着値が得られるプルオフ法は、付着性管理の両輪の関係にあります。そのため、クロスカット法に加えてプルオフ法を定期的に併用し品質信頼性を補完するケースが増えています。

プルオフ引張試験機といえばハンドルを手で回し、バネの力を利用して塗膜に接着剤で固定したドリー(試験円筒)を引っ張り上げるというものが主流でした。しかし、実際に試験を行なってみると、ハンドルを回し始めた直後にはく離が生じるケースが多いようです。これは構造的に張力の加え方は間欠的・断続的になり、さらに力を入れる際に手で持った試験機が揺れ引張の軸が垂直に保てない瞬間が生じることに起因しているようです。

また、バネの特性上の問題から、①測定精度に限界がある、②バネは伸び縮みを繰り返すうちに張力が変化する、③測定レンジがかなり狭い(小さな張力から大きな張力までを1台でカバーすることが難しい)、という避けられない原理上の問題があります。

さらに、JIS K5600-5-7の「5.1 引張試験機」の規定には、「張力は塗装した塗膜面に対して垂直に加え、試験アセンブリの破壊が90秒以内に発生するように1MPa/sを超えない、実質的に一様な速度で増加させなくてはならない」と記載されています。なかなか手動操作では信頼性のある試験を行なうことは難しいようです。

しかし、自動で連続的に張力を加えるべきであることはわかっていても、これまでは自動引張試験機と言えば大型で高価なものばかりでした。しかし、ポジテストの登場によりこれまでのイメージは一新されることでしょう。張力のレンジが広く、測定精度も高いため、これであれば、プルオフ法の目的・規定に忠実に沿った信頼性の高い試験を行なっていただけるものと考えました。

  1. 高い操作性
    • 小型軽量…バッテリー駆動なのでラボ用としても屋外使用としても最適です。
    • 引っ張り率(Pull Rate)が表示されますので、作業者は簡単に各国際規格に定められた引っ張り率に設定・確認ができます。
    • 簡単に種々の径のドリーに交換できます。またドリー径ごとの引っ張り値の換算表は必要ありません。自動的に計算してくれます。
    • キットには測定に必要なものがすべてセットされています。
  2. 高い信頼性
    • 密閉型筐体…IP65以上の防滴・防塵性を持ちますので、屋外使用時の天候悪化にも耐えられます。
    • さまざまな角度で試験が実施できます(真横に引っ張るあるいは真下に引っ張るなど)。
    • 丈夫なキャリングケース入りです。
    • 自然故障に対して1年間保証です。
    • バネ荷重方式にありがちな測定時の大きな音や衝撃もありません。
    • 高い精度
  3. 高い精度
    • ポジテスト・アドヒージョンテスターは公的基準にトレーサブルなロードセルに対して±1%の精度で校正されています。
    • 角度を自己補正する機能を持つアルミ製ドリーは、塗膜表面が平滑でもあるいはたとえ平滑でなくても、正確な測定を実現します。
    • 高品質の精密圧力センサーは、高い精度を保持し続けます。
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