ごあいさつ 2025年

 この1月で、前任の責任者が体調を崩されたことを受けて『塗装技術®』の出版元をお引き受けしてから1年になりました。ここまで続けてこれましたのは、ひとえに皆さまのご支援とご理解の賜物(たまもの)です。毎月のご購読者数は増えることはあっても、減ることはありませんでした。改めまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 2025年は、カーボンニュートラルのための節目の年です。日本は2050年カーボンニュートラルの実現、2030年温室効果ガス排出量46%削減を世界に約束しました。その2030年の中間目標達成まであと5年です。今年には、設備や指針の変更を具体的に取り掛からないと、もう間に合わなくなります。
 さて、新たな決意にふさわしく、1月号より表紙のデザインも一新し、“いつでもどこでも塗装技術”を実現するために電子版の配信(PDF)も開始しました。その『塗装技術』は今年3つの柱を掲げました。

  • 1つめ、「カーボンニュートラル実現に向けて具体的に業界に貢献する」
  • 2つめ、「人材育成のために、具体的に業界に貢献する」
  • 3つめ、「夢や希望を業界に具体的に届けたい」

 1つめは、昨年立ち上げた『EARTH Open(アースオープン)会議※1』への注目の高まりを受けて、講演会やセミナーでの講演・発表、日本塗装機械工業会・技術分科会への参加などの機会を得て、塗装業界のカーボンニュートラル実現に向けて、活動をさらに本格化させております。
 2つめは、『塗装の森※2』のさらなる充実を図ります。また、“塗装技術移動教室”の企画や“規格入門講座”の配信もスタートしています。
 3つめは、「この人に聞く」などを中心に、業界で活躍されている方、起業家精神を発揮されている方、果敢に課題に挑戦されている方の「なまの声」をお届けします。

 塗装技術誌の出版元をお引き受ける際に、私は本当に悩みました。コーテックの創業者のことば、昨年残念ながら旅立たれた平野克己さんのことばが、私の背中を押したことは紛れもない事実です。しかし、それと同時に、頑張っている当時の編集部の姿が私にはとても尊いものとして映っていました。そして、何らかを製造し、何らかの機器を販売している会社が、技術誌の発行を支援することは時代が求める形だという思いもありました。単独の事業として行っていくことは難しい時代になりました。『塗装技術』を側面から支えている従来の事業を進めている社員の理解も尊いものでした。みんな本当に頑張っています。
 これからもご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

※1:加熱乾燥技術を中心とする技術交流および情報発信のための『場』
※2:読者からのさまざま分野のご質問等にお答えする「Q&A」のコーナー

代表 楯恒夫